マルハナバチの採餌行動追跡
蜜を足した花をワーカーに学習させて、その花とコロニーを往復させ、その往復時間を記録する。往復時間の短いワーカーに着目して、飛んでいった方角などからコロニーの位置を推定する。最終的にはマルハナバチのコロニーを見つけることを目的とする。
材料:洗ビン、アクリル絵の具、蛍光パウダー、フィルムケース、記録用紙、はちみつ、砂糖、双眼鏡
(材料はスタッフ側で準備しています)
方法:
〜花とコロニー間の往復運動〜
マルハナバチのワーカーに、蜜を足した花を学習させて、コロニー間を往復させる。
はじめに、花に足すための蜜を作る。洗ビンに、水とはちみつが1:1の割合いになるように入れて良く撹拌する。マルハナバチの中には匂いに非常に敏感な種(例えば、クロマルハナバチ)もいるので、それらの種に対しては、はちみつの代わりに砂糖を用いると良い。
花に蜜を足す方法としては次のようなものがある.
- 待ち伏せ法 上向きの花(もしくは蜜を足してもこぼれない花)を選んで蜜を足す。あまり蜜を入れ過ぎるとマルハナバチは来ないし、逆に少ないとせっかくトラップしても別の花に移動してしまうので適度な量を入れること。この待ち伏せ法は数がものをいうので、できるだけたくさんの花に蜜を加えるようにすること。
- 蜜を足した花を手で持つ方法(通称「社長さん!一杯!」) 花を摘んで(摘んでも良い花を選ぶこと)そこに蜜を足し、ワーカーの目 の前で静かに待つ。これができるようになると、着目している個体に対して自分が能動的に動くことができるので、大変都合がよい。ただし、この方法に使える花が限られているうえ、始めは難しい方法なので練習を要する。
- 蜜を継ぎ足す方法 ワーカーが採餌している花の脇から静かに蜜を足す。これができれば、どんな花でも扱うことができる。
ワーカーが採餌中の静かにしている間に、アクリル絵の具で印を付ける。マークは、ワーカーが肢を使ってマークを取ろうとしても肢が届かない場所に付ける。腹部や胸部、肢などが良い。ワーカーは十分に蜜を貯めるとコロニーへ帰る。しかし帰ろうとして、いざ飛び立つとお腹(正確には蜜胃という)が一杯なので上手に飛べずにポトッと落ちる。これがお腹が一杯であるサインである。お腹が一杯でなければコロニーへは戻らずに次の花へ移動するので注意が必要。ワーカーが花から飛び立った方向と時刻を正確に(5秒単位で)記録する。ワーカーがコロニーへ帰り、貯めた蜜を戻してから再び花へ帰って来たらその時刻も正確に記録する。
これらの情報をまとめて、マルハナバチ類のコロニーがどこにあるかを予想する。2分半以内で往復するような個体が見つかったら、その個体を目で追いやすくするために、蛍光パウダーでマークする。あとは、ハチが飛ぶ方向に人を配置し、人海戦術で巣を捜すまで!!
- 参考書
- 鷲谷いづみ・鈴木和雄・加藤真・小野正人 マルハナバチ・ハンドブック 文一総合出版社
- ハインリッヒ著 井上民二監訳 マルハナバチの経済学 文一総合出版社
記録用紙の参考は、こちら → record.pdf あるいは、フィールドワーカー御用達の LEVEL BOOK がお勧めです。